2008年11月03日

勝負の明暗

今秋の天皇賞
結果はわずか2cm差で
ウオッカがダイワスカーレットをかわして勝利しました。
この二頭の牝馬は数々の名勝負を展開し、結果はダイワの3勝1敗。
とくにG1ではことごとく先着しており、
今回はウオッカが雪辱したかたちです。

今回も中身の濃い素晴らしい勝負でした。
またタイムも1.57.2というレコードだったこと。3着は今季ダービー馬ディープスカイだったこと、2cm差の結果のため15分以上写真判定が行われたことなども、この名勝負の彩りとなっています。(ディープスカイには申し訳ないが・・・)

いろいろなコメントなども見ました。
実地に府中でも観戦しました。
反応は良い勝負だった〜という素直な感動がほとんどでした。
ウオッカもダイワスカーレットも歴史的な名牝であることは間違いないでしょう。
素晴らしい勝負を展開し、感動を与えてくれた2頭には感謝です。

と、ここまでが明の部分。

こっからが暗の部分。
レースはハナをきるダイワの単騎のスローペースが予想されていました。例えば柏木集保さんの予想。
http://www.netkeiba.com/news/pid=column_view&no=10910

しかし実際にはダイワは超ハイペースで逃げざるを得ませんでした。
それはダイワの斜め後方にぴったりと一頭の馬が張り付いて
ダイワにプレッシャーをかけたから。
ペリエ騎手騎乗のトーセンキャプテンです。
ダイワはトーセンを行かせても良かったのですが、ペリエ騎手は斜め後方に構え、常にダイワを見れる位置から動きませんでした。
レースのペースは落ちることなく、というよりもダイワがペースを落とせずにハイペースのまま。
なし崩しに脚を使わされたダイワは直線そのまま馬群に消えるかと思われましたが、そこからの粘りが凄かった!
結局ウオッカの差しに2cmだけ屈したわけですが、
底力を示し「負けてなお強し」の内容でした。

レースに「たられば」はなしなんですが、もしスローの単騎逃げだったなら・・・・ダイワ楽勝だったかもしれません。
もちろんハイペースだと後方も追走に脚を使わされるため単純に差し馬が有利であるとはなりません。がしかし逃げが有利であるとも言えません。特に今回のように途中でペースが落とせなかった場合。

素晴らしい勝負を展開したダイワとウオッカ、
その勝負のアシストをしたのがペリエ騎乗トーセンキャプテンだったわけです。
さてここからが本題。勝負には明るく素晴らしい、見る者を感動させる部分があり、同時に暗く醜い、見る者に納得いかないものを感じさせる部分があり、そのどちらもが「勝負」です。

トーセンキャプテンは角居厩舎。ウオッカと同厩舎です。
トーセンキャプテンは15着。ハイペースを演出するためのムリなダイワ追走が響いたのかもしれません。もともと前へいく馬でもないです。函館記念勝利馬ですが、函館記念は後方追走から差しきって勝っています。

もちろん勝負ですから、上手く逃げがはまって勝つ場合もあります。が、あのようなレース展開で、あの位置にいてはほぼ勝てない競馬だと思います。むしろウオッカやディープスカイマークで差し勝負したほうが、勝つか負けるかはともかく着順は上だったでしょう。

結果として考えるならば、トーセンはダイワを潰すために逃げたのでしょう。
外国では「ラビット」とよばれる有力馬の同一馬主の馬が出走することがよくあります。ペースを作って、有力馬に実力を出させるための馬です。外国人騎手であるペリエ騎手はそのへんが十分わかっている騎手です。

ウオッカ陣営はここまでダイワに勝つための周到な作戦を練り、そして2cm差の勝利をものにしたのです。そこまでしなければ勝てないとダイワの実力をかっていたともいえます。
名勝負はウオッカ陣営の思惑を超えた強さを発揮したダイワと、そして周囲の力、自分の力をフルに出し切ったウオッカによるものです。

二強の名勝負。感動。同厩舎馬の勝てないハイペースによる追走。ダイワ潰し。その全てが最後の2cmに凝縮したから、この天皇賞は素晴らしいのだと思いました。

時間が進み、この二頭が「歴史的名牝」から「過去の名牝」になったとき・・・
この天皇賞は二頭の激突、ウオッカの2cm差勝利。その結果だけが伝わるようになり、勝負の「明」の部分だけが残っていってしまうようになることを私は恐れます。

勝負とはそんなものじゃない。勝負とは綺麗なだけのものじゃない。
それをぜひプロの記者さんや競馬ブログをお書きの方々に書き残して貰いたいです。
だからこそ勝負はひとを感動させるのだということを。
posted by ○もと at 08:47| Comment(3) | TrackBack(0) | 競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そうですね、ダイワも今まで斜行連発、顔ムチ連打で勝ってきてますからね^^;
勝負はきれいごとだけじゃ済まされないですよね
Posted by ai at 2008年11月11日 17:37
いわゆる闇騎乗というヤツですね^^
Posted by at 2008年11月11日 19:41
コメントありがとうございます

>ダイワも今まで斜行連発、顔ムチ連打で勝ってきてますからね

特に桜花賞は凄かった・・・四位がスパートしようとした瞬間に、安藤が斜行してウオッカの脚を1回止めてからスパートしましたから。
あれで勝負ありでしたね。
両馬ともに強いから暗の部分だけがクローズアップされないのが救いでしょうかね・・・

>いわゆる闇騎乗というヤツですね
JCの騎乗馬が気になるところです・・・
サムソン>武騎乗
ウオッカ>ペリエ騎乗
とかだったら・・・疑っちゃいますよね。
Posted by ○もと at 2008年11月13日 00:14
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